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感染症・抗菌薬

ST合剤と副作用

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ST合剤と副作用について簡単に整理する。注意すべき副作用を中心に取り上げる。
実際の副作用頻度は1~4%くらいなので気を付けておく必要はあるだろう
ST合剤とは、サルファ剤であるスルファメトキサゾール(Sulfamethoxazole)とトリメトプリム(Trimethoprim)の配合剤のことである。

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ST合剤と副作用

初回に服薬指導する際は、「胃腸障害」「貧血症状」「出血傾向」「皮膚症状」などの副作用を指導する必要がある。

添付文書上の記載

添付文書に患者に対して「主な副作用」について指導するように書かれている。つまり、何を注意すべきか伝えないといけない。
特に、飲み始めの注意点として「貧血症状」「出血傾向」「発疹」など具体的な症状も記載されているので参考にすると良い。
また、血液検査の結果も薬局にて確認すべきである。

【重要な基本的注意の記載】

「投与開始に先立ち、主な副作用について患者に説明し、血液障害(貧血、出血傾向等)、発疹等の皮膚の異常が認められた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示すること。」

「本剤投与中は、副作用の早期発見のため、必要に応じ臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査、血中電解質等)を行うこと。」

副作用の例と注意点

【消化器症状】

悪心・嘔吐・下痢・食欲不振などを起こす。
構造式のスルフォンアミドの部分が消化器症状に関わっていると言われている。

【過敏症反応/皮膚症状】

痒み、発疹、紅斑、水泡、蕁麻疹などを起こすことがある
まれに、スティーブン‐ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症(TEN)を起こす。

※HIV感染患者にST合剤を使う場合、皮疹の頻度が高くなる
※サルファ剤に過敏性がある人は使うことは出来ない

※添付文書上の記載
「薬剤性過敏症症候群 (頻度不明)初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス 6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。」

【尿細管障害】

尿細管障害による高カリウム血症、低ナトリウム血症が起こることがある。

※トリメトプリムは腎細管からのクレアチニンの分泌を阻害するので血清クレアチニンが上昇することがあるので注意
→腎機能の低下を意味しているわけではない。見かけ上10%程度の上昇は可逆的

※添付文書上の記載
「高カリウム血症、低ナトリウム血症(以上頻度不明)これらの電解質異常があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。特に本剤を高用量で投与する場合(ニューモシスチス肺炎の治療)は、十分に注意すること」

【血液障害】

血小板減少症、無顆粒球症などが稀に起こることがある。
自覚症状としては、「手足のあざ」「点状出血」「突然の高熱」「風邪症状」など

※他にも、頭痛、めまいなどには注意が必要である。

生後2か月まで禁忌の理由

ST合剤はアルブミンとの結合率が高いため、アルブミンと結合していないビリルビンが増えてしまい核黄疸を起こす可能性がある。
※妊婦に対しては、催奇形があることから禁忌である

参考資料
バクタ、添付文書、インタビューフォーム
バクトラミン配合錠、添付文書、インタビューフォーム