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インフルエンザの分類とバロキサビル(ゾフルーザ®)について~作用機序・用法など~

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インフルエンザの分類とバロキサビル(ゾフルーザ®)について~作用機序・用法など~

ゾフルーザ®による耐性菌の発生については別記事で記載する。
今までの薬理作用と違うため、ざっくりとまとめる。

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①インフルエンザウイルスの分類

A型、B型、C型に分類される。
C型は構造・性状がA型・B型とは異なる。発症しても軽症でほとんど流行しない。
A型、B型の表面には、生体内での感染・増殖に必要なHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)が存在する。

A型ではさらに、HAに16種類、NAに9種類が存在し、
その組み合わせ(亜型)により感染が変化する。
→組み合わせは 16×9 で144種類である!

HA(赤血球凝集素):ウイルスがヒトの細胞に吸着・侵入するために必要
NA(ノイラミニダーゼ):増殖したウイルスが細胞外に遊離するために必要

インフルエンザの経過

感染すると1~3日間ほどの潜伏期間の後に、
発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、
約1週間の経過で軽快するのが典型的なケース。

② バロキサビル(ゾフルーザ®)について

ウイルス感染→遺伝子が増殖→細胞の外へ
ざっくり言うと、ウイルスの遺伝子が増殖するのをブロックする。

作用機序

インフルエンザウイルス特有の酵素であるキャップ依存性エンドヌクレアーゼの活性を選択的に阻害する。

ウイルスの mRNA 合成を阻害する。

インフルエンザウイルスの増殖を抑制する。

効能・効果

「A 型又は B 型インフルエンザウイルス感染症」

インタビューフォームでの解説より
「インフルエンザウイルス感染症は,基礎疾患のない患者の多くでは,約 1 週間で自然治癒す る。一方で,慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者,代謝性疾患患者(糖尿病等)等の基礎疾患 を有する患者,5 歳未満や 65 歳以上の患者等においては,肺炎や気管支炎などの重篤な合併 症を併発するおそれがある。したがって,患者の状態や他の治療法等を考慮し,本剤の必要性 を慎重に検討した上で投与すること」



小児から高齢者まで服用可能だが服用には慎重になること
基本的にインフルエンザは薬を飲まなくても治癒することを念頭に置いておく。

※治療後2~3日のウイルス力価が下がる。(感染力低下が期待される)

用法用量

「通常,成人及び12歳以上の小児には,20mg錠2錠又は顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)を単回経口投与する。
ただし,体重80kg以上の患者には20mg錠4錠又は顆粒8包(バロキサビル マルボキシルとして 80mg)を単回経口投与する。」

12歳未満の場合:
10㎏以上20㎏未満→10mg1錠
20㎏以上40㎏未満→20mg錠1錠又は顆粒2包
40㎏以上→20mg錠2錠又は顆粒4包

※80㎏超えたら4錠と覚えておく。

※服薬指導の時に体重を確認し、投与量が適切か評価する必要がある。
また、薬歴にも記載することが大切。

※1日1回の投与で便利だが、耐性菌の問題が起こっている。
特に12歳未満。これについては別の記事で記載する。

参考資料
ゾフルーザ®添付文書、インタビューフォーム