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皮膚科

ショートコンタクトセラピー とは?

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時々質問を受けるので簡単に整理する。
一般の方は、すべての塗り薬に使えるやり方だと勘違いしてしまうことがあるので注意すること。
乾癬の治療などで長期間ステロイドを使う人は、副作用も気になるかも・・・勝手に止めたりするかもしれない・・・
そういった患者には、ショートコンタクトセラピーを勧めるとアドヒアランス向上を期待できるので指導してはどうだろう。

ショートコンタクトセラピー:Short contact therapy

ショートコンタクトセラピー とは?

外用剤を塗った後、15分後に洗い流す療法

ショートコンタクトセラピー

外用剤の患部への接触時間を短時間にして、副作用を軽減しながら治療効果を発揮する療法である。
日本語的に表現すると「短時間接触療法」となる。
使う場面としては、ステロイド外用剤を塗布するケースで・・・
外用剤を塗ることが多い「手」や「足」ではなく、比較的ステロイドの吸収がよい「顔」や「頭皮」に塗る場合、局所性の副作用を軽減したい。そんな時に向いている。
経皮吸収率がよいことを上手く利用するイメージである。

【もっと詳しく・・・】

尋常性乾癬に使われるクロベタゾールプロピオン酸エステルは、ステロイドの強さでストロンゲスト(Strongest)に分類されている。
効果はもちろん高いが、局所的な副作用が気になる。
例えば、頭部に使った場合の副作用として、毛細血管拡張症(頭皮の赤み)、皮膚萎縮、毛包炎(感染症)などを起こすことがある。
これらを防ぎつつ、効果を発揮するために有用である。

ショートコンタクトセラピーのやり方

外用剤を塗布したあと、15分から20分後に洗い流す。

※ステロイドの場合と目的は異なるが、ニキビ治療などで最初に短い時間(10分)から試し、徐々に30分、60分と塗布時間を延ばすように指示されることがある。これもショートコンタクトセラピーの一種である。

ショートコンタクトセラピーがやりやすい剤形

ステロイドであれば、シャンプータイプの剤形だとやりやすい。
シャンプータイプだと、本当にシャンプーみたいに使って洗い流すのでイメージしやすい。
具体的な例として、コムクロシャンプー(クロベタゾールプロピオン酸エステル)がある。

【コムクロシャンプーの用法】
「通常、1日1回、乾燥した頭部に患部を中心に適量を塗布し、約15分後に水又は湯で泡立て、洗い流します。」

参考資料
コムクロシャンプー、添付文書、インタビューフォーム