褥瘡と反応性充血 の見分け方
褥瘡の初期として紅斑や発赤が生じる。他の病態などと分かりにくいことがある
d1の褥瘡と反応性充血を見分けることは重要である。
よく現場では、「指押し法」が行われたりするので簡単に紹介する。
※d1とは?
褥瘡の状態を判定するDESIGNツールである「depth:D」の項目の1つである。
浅い褥瘡はd(d0~d2)、深い褥瘡はD(D3 ~5)と記載される。
「持続する発赤」がある場合にd1に分類される。
※潰瘍はない
褥瘡と反応性充血 の見分け方
反応性充血と上記でも述べたd1の鑑別は難しいことがある。
d1ということは褥瘡なので「圧迫」が関係している。
細かい話をすると、細い動脈や毛細血管が損傷しており、赤血球が漏れた状態である。
反応性充血は、圧迫すると白くなり、戻すと血流が戻るので赤みが戻る。
この圧をかけた時の違いを使った鑑別方法が「指押し法」である
指押し法
「圧迫して赤みが消失する発赤かどうか」が重要である。
指押し法は、3秒指で圧迫した後、指を離して変化を観察する
発赤が消えず、赤いままの場合、褥瘡の可能性がある。
反応性充血であれば、指で押すと白く退色する。
指ではなく、透明のガラス板で3秒圧迫する方法もある。
こちらは、ガラス板圧診法という。こちらの方が透明のプラスチック版等を用いるので押したときの患部が見やすい
「指押し法」と「ガラス板圧診法」は、褥瘡予防・管理ガイドラインおいて推奨度C1である
C1 :根拠は限られるが行っても良い
また、褥瘡・診療ガイドラインでは推奨度2Cである。
2C:患者に対し行うことの1つの選択肢として提案する
(弱い推奨・弱い根拠に基づく)
反応性充血
では・・・反応性充血はどんな状態なのだろうか?
真皮深層の微小血管が拡張している状態であり「一時的な発赤」である。
簡単に言うと、褥瘡の前駆状態の可能性がある。つまり、反応性充血だからと言って安心できるものではない。
褥瘡がなりやすい部位
「仙骨部」だけでなく、意外と「かかと」が多かったりする。なりやすい部位は下記などがある。
圧力さえ加わればどこでもなりうるのが怖い
・後頭部
・肩甲部
・仙骨部
・かかと
・肩
・耳
・肘
・腸骨
・膝
・くるぶし
・背部
・坐骨
・尾骨
※なりやすい部位は様々であるため、指押し法も含めて毎日の観察が大切である。
「気づいたら褥瘡だった」と
ならないようにしないといけない
参考資料
褥瘡予防・管理ガイドライン
褥瘡・診療ガイドライン2017
一般社団法人日本褥瘡学会.在宅褥瘡予防・治療ガイドブック.第3版.照林社,2015,194.