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腎臓関連

腹膜透析の種類や注意点~血液透析との違いなど~

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薬局薬剤師として関わり辛い部分もあるが、私も腹膜透析の患者と関わる機会が出てきそうなので少しまとめておこうと思う。
ただ、詳しい内容は今回はあまりないかも・・・
簡単な血液透析との違いも述べてみる。

①腹膜透析とは?

腹膜透析(PD:peritoneal dialysis)って?

・体内にある腹膜を使ってゆるやかに持続的に行う透析方法
(血液を綺麗にする)

・透析液で腎不全で溜まった老廃物、酸、余分な水分を取り除く
また、電解質のバランス調節を行い血液を中性に保つ

・腎臓の役割を一部助ける目的がある
※残存腎機能の保持、心血管系の負担が少ない
※血液透析は、完全に腎臓の代わりの役割なので強制的に血液を綺麗にするイメージ

・自宅で行うことが出来る→生活の自由度が高い

②腹膜透析の種類は?

2種類の方法がある。

連続携行式腹膜透析(CAPD)

お腹とバッグの高低差を使って1日数回透析する方法。
自宅や職場で行う。
1日何回バッグ交換を行うかは、腎機能がどれくらい残っているかで異なる。
家で行ったりするため、時間は厳密でなくても良いが、
目安としては、予定時間の前後1時間くらいはOK
→ただし、ズレた日の翌日は、予定時間に透析を行う 。

※バッグ交換の「空気抜き」は、忘れないように。一度で何か起こるわけではないが、回数が重なり空気が肺の周りに溜まると圧迫感など生じてしまう。

自動腹膜透析(APD)

自動腹膜灌流装置(APD)装置を使って自動で透析液を入れ替える方法。
夜間の寝ている間に行うことが出来る。

※除水量は2時間くらいがピーク。長時間置きすぎるとリンパ管からの再吸収が起きて除水量が減る。その2つの程々の時間が6時間程度

※除水は浸透圧を利用して行われる。透析液にブドウ糖が入っているため、少し体内にブドウ糖が吸収される。カロリーとしてはオニギリ1個分程度

※腹膜透析は浸透圧で除水するが、血液透析は強制的に除水する。
※血液透析は週3回医療機関で透析を行う。

③腹膜を介する物資の移動

カリウムやリンは血液側から腹膜に移動する
透析液に含まれるカルシウムは血液側へ移動する(体内で不足している場合)

※カリウムも抜けるので低カリウム血症になる人もいるため、その場合は、カリウム剤を内服することがある。

※アルブミンなどのタンパク質も透析液に出て行ってしまうので
肉や魚を食べる食事指導が必要

④腹膜透析の注意点

・腹膜炎(腹膜に起こる感染症)
・体内の水分量が増えることでのコントロール不良

※腹膜炎を起こさないこと、体の水分コントロールを行うことが大切
※1日1回体重を測定する

腹膜炎?

透析時は、腹膜で囲まれた空間の腹腔に透析液を溜める。
透析液を交換する際、通常は薄いレモン色の液体が出てくるが・・・
混濁したり、白濁すると腹膜炎が疑われる。
その場合、医療機関への連絡が必要。
腹膜炎と聞くと一大事という印象だが、腹膜透析なので細菌が原因なので早めに対処すれば1~2週間で改善する。

塩分に注意

塩分を摂りすぎると体内の水分が多くなる。
どんなことが起こる?

・心肥大や心拡大が起こる→心不全が生じる
・腎細動脈が硬くなる→腎不全につながる

※水分を注意する必要があるので・・・
アルコールを飲む場合、ビールよりアルコール度数が高いウイスキーを少し嗜む程度がよい。

参考資料
テルモ勉強会