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透析患者の胃腸障害~機序・症状等~

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透析患者の胃腸障害~機序・症状等~

透析を受けている人は、胃炎や胃潰瘍が出来やすいことが分かっている。
「胃液分泌の異常」、「ストレス(精神的・肉体的)の増加」、
「内服薬の多さによる胃への負担増加」、「防御因子の低下」、
「胃粘膜の血流低下」などが関係しているらしい。
簡単に言うと、胃酸などの攻撃因子が亢進し、防御因子が低下することで胃への影響が大きくなることから胃炎や胃潰瘍ができやすくなる。
消化管出血は透析患者の死亡原因の5~9%を占めることが知られており深刻な問題である。
治療薬としては、H2ブロッカーやプロポンプ阻害薬(PPI)を用いる
その中で一部を簡単にまとめる。

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①胃腸障害の機序について(今後追記予定)

ガストリンの代謝異常

ガストリンは腎臓で代謝されるため、腎不全になってしまうと・・・
ガストリンの代謝が上手くいかない。
血中のガストリンが増えてしまう・・・
ガストリンは胃酸の分泌を刺激する消化管ホルモンであるため
胃酸の分泌が増加する。

防御因子の低下

慢性腎不全の人は、防御因子が低下することが分かっているため
透析の前や透析を始めた人に急性胃炎や急性胃潰瘍が多い理由らしい。

血管的な問題

胃粘膜の血流が下がることが分かっている。さらに、
糖尿病の延長で透析の治療を行っている人は、酸化ストレスにより血管病変が起こりやすいことも分かっている。

②症状

・胃のあたりが痛い(腹部で言うと上部)
・吐き気が起こる
・人によっては吐いてしまう

補足:どんな時起こるの

・透析が上手くいかなかったとき
(透析のスピードが速いとなりやすい?)
・病変が起こったとき

③おまけ:機能性胃腸症(FD)

透析の人は、胃カメラなどで特に病変がない機能性胃腸症(FD)が起こることも分かっている。その場合は、PPIやH2ブロッカーが効かない。
透析の人で、胃がもたれたりする場合は、六君子湯が奏功することがある。
試してはどうだろうか。

参考資料

Taylor I, Sells RA, McConnell RB, Dockray GJ Serum gastrin in patients with chronic renal failure. Gut 21: 1062-1067, 1980

Gold CH, Morley JE, Vilijoen M, Ou TL, DeFomseca M, Kalk WJ: Gastric acid secretion and serum gastrin levels in patients with chronic renal
failure on regular hemodialysis. Nephron 25: 92-95 , 1980