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循環器

アミオダロンの副作用 について

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アミオダロンの副作用 について整理する。
アミオダロンは、とても副作用に気を付けないといけない薬剤である。
開始するにあたっては、患者や家族に有効性や危険性を十分に説明し、可能な限り同意を得る必要がある。
今回は、何に注意すればよいか簡単にまとめる。

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アミオダロン(アンカロン®)の副作用

添付文書にも、「呼吸器」「循環器」、「肝臓」、「眼」、「甲状腺」という項目に分けて書かれている。

警告の記載

「本剤を長期間投与した際、本剤の血漿からの消失半減期は 19~53 日と極めて長く、投与を中止した後も本剤が血漿中及び脂肪に長期間存在するため、副作用発現により投与中止、あるいは減量しても副作用はすぐには消失しない場合があるので注意すること。」

※副作用に注意する必要がある理由として半減期の長さがある。
また、脂溶性が高く分布容積が大きい特徴を持っている

重要な基本的注意の記載

「本剤による副作用発現頻度が高いことから、患者の感受性の個体差に留意して有効最低維持量での投与が望ましい。なお、副作用の多くは可逆的であり投与中止により消失又は軽快すると報告されているが、本剤の血漿からの消失半減期が長いため、すぐには消失しない場合があるので注意すること。」

※副作用の多くが可逆的であることも知っておくとよい

相互作用の記載

「本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤の半減期が長いことから、薬物相互作用は併用薬だけでなく、本剤中止後に使用される薬剤についても注意すること。」

※アミオダロンを中止した場合、いつ中止したかどうかで
併用に注意するか決まる。
中止後すぐは、特に併用禁忌の薬剤に気を付けること

副作用

「肺障害」、「循環器障害」、「甲状腺障害」、「肝機能障害」、「眼の障害」などが起こる。また、振戦(手の震え)などにも注意する。
今回は、「肺障害」、「循環器障害」、「甲状腺障害」、「眼の障害」について簡単にまとめる。

※「肝機能障害」は、アミオダロンが肝代謝であるため、肝機能障害のある人では副作用が出やすいので注意

【肺障害】

発生率は6%程度である。
原因は不明、血漿組織に比べて肺組織のアミオダロン濃度が高いため起こる
(数百倍)
そのため、アミオダロンの血中濃度を測定しても副作用を予測できない。
「間質性肺炎」「肺線維症」「アレルギー様の肺の症状」が出る。
薬局では、「咳」や「息切れ」などを確認すると良い。
そのため、服用を開始したら胸部レントゲンだとかKL-6の測定をしたりする必要がある。

KL-6については下記を参照のこと
間質性肺炎と癌について~KL-6の基準値や臨床的意義~

【循環器障害】

抗不整脈薬なので徐脈に注意が必要である。
さらに、アミオダロンはKチャネル遮断作用があるのでQT延長のリスクがある。
定期的な心電図測定が必要となる。

QT延長については下記記事を参照のこと
抗不整脈薬のQT延長について~原因や注意する薬剤などをざっくりと~

【甲状腺障害】

甲状腺機能亢進と甲状腺機能低下のどちらも起こる可能性がある。
甲状腺に関しては、血液検査の数値からもモニタリングすることが出来るため肺障害よりは分かりやすい。

【眼の障害】

角膜の色素沈着が起こる。角膜の辺縁にアミオダロンの代謝産物が沈着してしまう・・・6割以上の人に発生する症状である。
頻度は高くないが、この色素沈着が羞明につながっていると言われている

また、その沈着が視神経に起こると視力障害となることもある。(1%程度)

※羞明(しゅうめい):「目のまぶしさ」のこと

【補足】
体から抜けるのに時間がかかるので
中止して数か月は肺障害や甲状腺障害に注意すること

参考資料
アンカロン®添付文書、インタビューフォーム