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ネプリライシン (neprilysin)について~心不全の分野で注目~

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ネプリライシン (neprilysin)について心不全の分野で注目されているのでまとめる。
ネプリライシが関わっている薬剤については別の記事でまとめている。
エンレスト®については下記の記事を参照のこと

サクビトリルバルサルタン(エンレスト®)錠の特徴と心不全(関連事項)について

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ネプリライシン(neprilysin)について

ネプリライシン(NEP)は、血管作動性ペプチドのタンパク質分解酵素である。活性中心に亜鉛結合部位を有する膜貫通型メタロプロテアーゼである。
体内に広く分布しており、特に腎臓の刷子縁膜、中枢神経系、肺、精巣、卵巣、小腸、免疫細胞などに存在する。

※メタロプロテアーゼとは、活性中心に金属イオンを有する分解酵素の総称
※NEP:neutral endopeptidase

基質は?

基質としては、ナトリウム利尿ペプチド系(ANP、BNP、CNP)、アンギオテンシンⅡ、アンジオテンシンⅠ、エンケファリン、ブラジキニン、サブスタンスP、エンドセリン、βアミロイドなどが報告されている。

実は、アンギオテンシンⅡの基質であることも意外とポイントである。
心不全の治療薬のサクビトリルバルサルタン(エンレスト®)錠を考える上で重要になってくる。
サクビトリルがネプリライシンを阻害する作用だけで良いのではないか?
という問題がある。バルサルタンは必要なのかと・・・

ネプリライシンを阻害することでBNPの分解を抑えて、
BNPの持つ心不全にとってよい効果があるのであれば・・・
バルサルタンはいらないのでは?と思ってしまう。

ただ、ネプリライシンは、アンギオテンシンⅡの分解の役割もあるため・・
RAAS系の亢進も起こしてしまうのだ。
RAAS系の亢進は心不全にとって良くないので、ここを抑えるためバルサルタンが含まれている。ネガティブなところをカバーしている。

※ネプリライシンを阻害するとブラジキニンの分解も抑制するため血管拡張作用も増強する
※βアミロイドは認知症の進展にも関係するため、色々な方面で創薬に期待されている

※ナトリウム利尿ペプチド系は、ANP、BNP、CNPが有名である。
簡単に説明するとナトリウム利尿ペプチド系は、生体で最も強力な内因性のNa排泄・降圧利尿ホルモンである。

BNPとNT-proBNPについてはこちら

肥満とネプリライシン(最近の報告より)

肥満状態では、血中。脂肪組織中にネプリライシンが亢進する
増加したネプリライシンによりANP,BNPが分解され濃度が下がる。
心不全にとって良くない。

参考資料
standeven KF et al . Int J Obes 2011
エンレスト®添付文書、インタビューフォーム
Solomon SD, Rizkala AR, Lefkowitz MP, et al. Baseline characteristics of patients with heart failure and preserved ejection fraction in the PARAGON-HF Trial. Circ Heart Fail. 2018; 11:e004962.

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