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高尿酸血症と腎不全 の関係について~ガイドライン上の位置づけも~

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高尿酸血症と腎不全 の関係について触れる。
高尿酸血症が関与する病態はいくつも知られているが腎障害への影響も言われている。
血中の尿酸を下げる薬はどうしてもアドヒアランスが悪くなる傾向にあるので
服用する意味を色々な角度から説明できるようにしておくとよい。

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高尿酸血症と腎不全 の関係

エビデンスの例

2009年の報告であるが、健康診断を受診した177,570例を対象に約25年間観察した際の末期腎不全発症リスクを評価したものがある。
血清尿酸値(0.1~4.17mg/dL)の群と血清尿酸値(6.00~14.9mg/dL)の群を比較したデータでは、ハザード火が2.14というものだった。
血清尿酸値(5.10~5.99)であってもハザード比1.68である。
アメリカのデータであるが、高尿酸血症が腎臓へ及ぼす影響は、かなりありそうである。
服薬指導の際も尿酸の薬はアドヒアランスの維持が非常に難しいものの1つである。痛風発作を起こしていない人にとって飲んでいる意味を感じにくいからだ。血液中の尿酸が高いと「どう体に負担がかかるのか」上手く説明できるとアドヒアランスは向上するのではないだろうか

ガイドラインにおける腎障害に対する尿酸降下薬使用の推奨度

【高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版】

「CQ2:腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?」

「A:腎障害に有する高尿酸血症の患者に対して腎機能低下を抑制する目的に尿酸降下薬を条件付きで推奨する。」
※推奨の強さと方向→「実施する」ことを条件付きで推奨する
※エビデンスの強さ→B(中)→AからDまでのエビデンスの中の2番目

※条件付きとは?
「臨床現場における条件を意味し、患者の病態・合併症のみならず価値観並びに希望などの患者側の条件に加えて、現時点での新しいエビデンスを含めた医療側の条件や医療経済的な条件を含める」とのこと

【エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018】

「CQ1:CKD患者に尿酸低下療法は推奨されるか?」

「A:高尿酸血症を有するCKD患者に対する尿酸低下療法は腎機能悪化を抑制し、尿蛋白を減少させる可能性があり、行うよう提案する」
※アウトカム全般のエビデンスの強さ(エビデンスグレード)
→C(弱):効果の推定値に対する確信は限定的である
※推奨の強さ→2:弱く推奨する・提案する

※なぜ明確な推奨は行わないかも書かれている。
尿酸値の管理目標に関してRCTが存在しておらずエビデンスが不十分であることが挙げられている。
ガイドラインにおいて目標値の準拠として「血清尿酸値8.0mg/dL以上で薬物療法開始、6.0mg/dL以下を目標とする」とされている。

参考資料
Hsu C et al.Arch Intern Med 2009;169:342-350
日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版
診断と治療社2018:16,37-40
日本腎臓学会 エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018 東京医学社2018:ⅷ,47-48

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