オキシコドン の特徴について解説します。基本的なところを中心に触れていく
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オキシコドン の特徴について
・最大投与量は設定しない
・腎不全でも使いやすい
作用機序・薬理作用
モルヒネと同じ作用機序である。
μ受容体作動薬として、中枢神経系、平滑筋組織で作用する。
κ受容体のアゴニストとしても知られているが、メインはμ受容体作用である。
使用量
10㎎/日の少量から漸増して、眠気などの副作用がない範囲、許容できる範囲で痛みが抑えられるように設定する。
眠気が強すぎたら増量をやめる。
目標のイメージは、「睡眠がとれる」、「1日の痛みがだいたい取れている(数回レスキュー薬は使う)」
レスキュー薬含めて、最大投与量は設定しなくてよい。
剤形について
徐放錠や散剤、注射などがある。
オキノーム散は、レスキュー薬として使われる。
※オキノーム散の最高血中濃度到達時間は、2時間くらいなので即効性に注意。めちゃくちゃすぐ効くわけではない。
痛くなる原因が分かっていれば、早めに飲んでおく指示が出ることがある。
【補足:定時オピオイドとレスキュー薬】
タイトレーションと言われるが、定時オピオイドは、痛みが十分に緩和され、副作用が許容されるまで増量していく。
タイトレーションの手助けにもなるレスキュー薬は、定時的に使うオピオイドと同じ種類、同じ投与経路を選択することが大切である。
例えば、オキシコドン徐放性製剤(TR錠)とオキシコドン速報性製剤(オキノーム散)である。
レスキュー薬の1回量は、定時的に飲むオピオイドの1日量の6分の1を目安に設定する。
レスキュー薬を2回目飲むときは、オキシコドンの場合、1時間以上空ければok。
体内動態
未変化体尿中排泄率20%程度であるため、ほとんど肝臓で代謝される。また、分布容積が大きく、血液より組織に多く存在する。
関与するCYPは、CYP2D6とCYP3A4である(モルヒネより相互作用は多くなる可能性がある)。
例えば、CYP3A4阻害薬と併用する場合は、オキシコドンの代謝が阻害されて作用が増強するかもしれない。
腎障害にも使いやすいのが特徴である。かなり重要なポイント。
腎障害のある人でも眠気、傾眠の副作用が問題となることが少ない。
よくある副作用
「眠気」、「悪心」、「嘔吐」、「便秘」など
※オピオイド共通の副作用である
※増量の際は、一時的な悪心嘔吐に注意する
その他の特徴
・経口薬の生体内利用率は、60%から80%程度
・モルヒネと同じ量を飲むと、モルヒネと比べて1.5倍から2倍の鎮痛効果がある。
・腎障害時にも使いやすい
・徐放錠を飲む場合は、ゴーストピルが出ることがある。指導しておくと不安が解消する
・レスキュー薬の反復間隔は1時間くらいする
・内服出来なくなっても注射薬があるので切り替えやすい
・注射薬(静脈・皮下)の量は、経口薬の量の0.6~0.7倍程度になる。
・モルヒネ10㎎=オキシコドン注10㎎と覚えると分かりやすい
※添付文書上の記載も一応知っておくこと。添付文書には1.25倍と書いてあるが、同じ量で換算する医師や病院が多い。
オキシコドン注の添付文書の記載
「モルヒネ注射剤の持続投与を本剤に変更する場合には、モルヒネ注射剤1日投与量の1.25倍量を1日投与量の目安とすることが望ましい」
参考資料
オキノーム散、添付文書
オキシコドン注、添付文書