オンジェンティス錠(オピカポン)の特徴について簡単に解説する。COMT阻害薬に分類される薬剤である。
オンジェンティス錠(オピカポン)の特徴
服用回数を同効薬と比べ減らせるのがメリットである。1日1回でOK
食事の影響に注意が必要!
効能・効果
「レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用による
パーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off 現象)の改善」
※あくまでも併用する薬で補助的な役割を持っている
※単剤で服用しても効果は認められていない
【効能又は効果に関連する注意】
「・本剤は症状の日内変動(wearing-off 現象)が認められるパーキンソン病患者に対して使用すること。
・本剤はレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩による治療において、十分な効果の得られない患者に対して使用すること。」
※日内変動の有無の確認や今までの治療で効果が不十分であることの確認が必要である
用法用量
「本剤は、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用する。通常、成人にはオピカポンとして25mgを1日1回、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後及び食事の前後1時間以上あけて経口投与する。」
※オンジェンティス錠の最大の特徴は、1日1回でOKというところである。
※食後すぐの服用はNGなので注意すること
【用法及び用量に関連する注意(一部引用)】
「本剤はレボドパの生物学的利用率を高めるため、レボドパによるドパミン作動性の副作用(ジスキネジア、幻覚、悪心、嘔吐及び起立性低血圧)があらわれる場合がある。このため、本剤の投与開始時は患者の状態を十分観察し、ドパミン作動性の副作用がみられた場合は、レボドパ含有製剤を調節すること」
「本剤は、生活習慣、レボドパ含有製剤の投与時間帯等を考慮して適切な投与時間(就寝前等)を定め、毎日一定の時間帯に投与すること」
※飲み始めは、ドパミン作動性の副作用に注意が必要
※処方せん上でも飲み方が正しいか必ず確認すること。比較的多い服用タイミングは「就寝前」
1時間空ける理由について
オンジェンティス錠(オピカポン)は、食事の影響をかなり受ける薬剤と言うのを知っておく必要がある。
国内第Ⅰ相試験のデータにあるように「食後投与」によりCmaxやAUCが約半分になってしまうため「食事の前後1時間以上あけて経口投与すること」と用法用量が決められている。
※注意が必要なのでは処方せん上「寝る前」になっている場合で「夕食後」から1時間以上たって服用出来ているかのフォローが大切である。
※食事の影響(国内第Ⅰ相試験、インタビューフォームより)
「日本人健康成人男性12例を対象に、非盲検無作為化2群2期クロスオーバー法の試験デザインにより、オピカポンの錠剤50mgを各期7日間の間隔をあけて単回経口投与したとき、空腹時投与に対して食後投与(標準食)のCmax及びAUC0-∞は、それぞれ0.53倍及び0.57倍であった。」
薬理作用・作用機序
末梢で作用する長時間作用型COMT阻害剤である。
血中でのレボドパから3-O-メチルドパへの代謝を持続的に阻害
↓
レボドパの脳内移行を向上
↓
パーキンソン病の症状である手足のふるえ、筋肉が硬くなる、 動作緩慢、歩行障害などを緩和
※レボドパ(ドパミン前駆体)及びドパ脱炭酸酵素阻害剤(DCI)の併用下でwearing-off 現象(パーキンソン病症状の日内変動)が認められるパーキンソン病患者を対象としている
※パーキンソン病患者のOFF時間の短縮のために用いる薬剤である
副作用
一番多く報告れさている副作用は、「ジスキネジア」である。
ジスキネジアの副作用が生じた際は、「浮動生めまい」などの症状が出ることがあるので注意すること
また、突発的な眠気やめまいを生じることがあるので自動車等への運転に従事させないこと
「国内第Ⅱ相試験の安全性評価対象
428 例中、215例(50.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用(2%以上)は、ジスキネジア 74 例(17.3%)、便秘 24 例(5.6%)、幻覚 19 例(4.4%)、起立性低血圧 18 例(4.2%)、体重減少 16 例(3.7%)、悪心 15 例(3.5%)、
幻視 12 例(2.8%)、口渇 9 例(2.1%)、傾眠 9 例(2.1%)であった。(承認時)」
用法及び用量に関連する注意7.2
「本剤はレボドパの生物学的利用率を高めるため、レボドパによるドパミン作動性の副作用(ジスキネジア、幻覚、悪心、嘔吐及び起立性低血圧)があらわれる場合がある。このため、本剤の投与開始時は患者の状態を十分観察し、ドパミン作動性の副作用がみられた場合は、レボドパ含有製剤を調節すること。」
服薬指導の個人的ポイント
あくまでも個人的に服薬指導で注意することを箇条書きしておく。
・オンジェンティス錠が単独で処方されていることがないか(併用必須)
・1日1回は守れているか
・服用時間は毎日だいたい一定かどうか
・「寝る前」の服用であれば「夕食後」から1時間以上空いているか(高齢者施設の方も注意)
・レボドパ作動性の副作用は特に注意しておく。「立ち眩み」「めまい」などは、
もともと転倒しやすいパーキンソン病患者には、転倒を高める副作用なのでフォロー
【参考資料】
オンジェンティス錠、添付文書、インタビューフォーム
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