トビエース (フェソテロジン)の特徴について簡単に整理する。
徐放性製剤のため噛んで服用することは出来ない。
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トビエース (フェソテロジン)の特徴
効能・効果
「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」
※ある調査では40歳以上の男女のうち7人に1人が過活動膀胱(OAB)に該当するとのこと。多い!
さらに、過活動膀胱の人のうち72%に切迫性尿失禁の症状がある.
※類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌などの下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断する必要がある
※下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している人は、そちらの治療を優先する
※効果がない場合は、漫然と服用を続けることは出来ない
→服薬指導でも効果の確認は必要である。
用法・用量
「通常、成人にはフェソテロジンフマル酸塩として4mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて1日1回8mgまで増量できる」
※重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者、中等度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B)、又は強力なチトクロムP450(CYP)3A4阻害薬を投与中の人は4mgまで
作用機序
アセチルコリンによるM2とM3受容体の過剰な刺激により尿意切迫感や切迫性尿失禁が起こる。
フェソテロジンは、膀胱平滑筋のムスカリン受容体M2とM3両方に結合して膀胱収縮を抑制する。
その結果、トイレの回数が減る。
副作用
主な副作用は、「口内乾燥(口渇)」や「便秘」である。
他には、「霧視」、「めまい」、「眠気」に注意すること
※アジア共同第二相試験では、4mgで27.8%、EIGHT試験では、4mgで12.9%の人に口内乾燥が見られている。
→かなり多いので唾液腺マッサージなど口内乾燥が出た場合の対応は伝えると良い
ガイドライン上の位置づけ
「OAB診療ガイドライン」、「女性株尿路症状診療ガイドライン」「夜間頻尿診療ガイドライン」において過活動膀胱(伴う夜間頻尿)の薬物療法として「推奨グレードA」である。
※過活動膀胱には使われるケースが多い!
その他の特徴
・トルテロジンのプロドラッグである。トルテロジンと比べて唾液腺より膀胱への選択性が高くなっている。中枢への影響が少ない。
・有効成分トルテロジン(デトルシトール®)の活性代謝物と同じ。活性本体は5-HMT(5-ヒドロキシメチルトルテロジン)。
・徐放性製剤であり、噛んだり、粉砕したりは出来ない。
・認知症、認知機能低下者で過活動膀胱の自覚症状の把握できない場合、投与対象とならない
参考資料
本間 之夫ほか:日本排尿機能学会誌14(2):266,2003
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会 編:女性下部尿路症状診療ガイドライン第二版
日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会 編:夜間頻尿診療ガイドライン第二版
トビエース®添付文書、インタビューフォーム