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泌尿器関連

尿路結石とα遮断薬 について~排泄を促進するために~

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尿路結石とα遮断薬 について簡単に整理する。
尿路結石を排泄するために処方されることがあるので知っておくと良い。
薬局では分かりにくいが、タムスロシンなどのα遮断薬が、100%前立腺肥大症というわけではないので聞き取りが大切である。

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尿路結石とα遮断薬 について

尿路結石症診療ガイドライン 2013年版を参考とする。
尿路結石症関連手術費用が高いため、内服で解決できれば医療費の削減にもつながるため
使われるケースは多い。

尿路結石に対する作用機序・薬理作用

尿路に分布するα1遮断薬に作用

平滑筋が弛緩

尿路が拡張することで排泄が促進

痛みの緩和に効果がある

結石排泄までの時間の短縮
鎮痛薬の服用頻度減少
が期待できる。

※カルシウム拮抗薬も尿路を拡張する効果があり、同様の効果が期待できる
※降圧作用のリスクからカルシウム拮抗薬よりα1遮断薬を用いる場合が多い

使われる薬剤

エビデンスが多いのはタムスロシンである。
その他にもシロドシンやナフトピジルも使われる。

エビデンスの例では、タムスロシンはニフェジピンと比較して同等もしくはそれ以上の効果が報告されている。
※ただし、この報告はタムスロシン0.4mgなので量は多めである・・・

尿路結石症診療ガイドライン 2013年版

【CQ10:尿管結石の自然排石を促進する薬剤にはどのようものがあるか?】

「尿管結石の自然排石を期待できる薬剤には,α1 遮断薬あるいはカルシウム拮抗薬があり,10mm以下の結石では自然排石率が増加することが報告されている。症状がコントロールできている患者に対しては第1選択となり得る。ただし,尿管結石排石促進としての保険適用はない。推奨グレードB」

※推奨グレードB:エビデンスがあり、推奨内容を日常診療で実践するように推奨する
※適応外使用なので疑義照会は必要だろう
※ウラジロガシエキス(ウロカルン)や猪苓湯などは尿管結石排石促進作用によく使われるが、エビデンスレベルの高い報告はなく推奨グレードC1となっている。
→ガイドライン上では、否定するほどでもないという書き方がされている

参考資料
Parsons JK, Hergan LA, Sakamoto K, et al. Efficacy of alpha-blockers for the treatment of ureteral stones. The Journal of urology. 2007;177:983-7;discussion 7.

Hollingsworth JM, Rogers MA, Kaufman SR, et al. Medical therapy to facilitate urinary stone passage:a meta-analysis. Lancet. 2006;368:1171-9.

Arrabal-Martin M, Valle-Diaz de la Guardia F, Arrabal-Polo MA, et al. Treatment of ureteral lithiasis with tamsulosin:literature review and meta-analysis. Urologia internationalis. 2010; 84:254-9.

Dellabella M, Milanese G, Muzzonigro G. Randomized trial of the efficacy of tamsulosin, nifedipine and phloroglucinol in medical expulsive therapy for distal ureteral calculi. The Journal of urology. 2005;174:167-72.

尿路結石症診療ガイドライン2013年版