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ダプロデュスタット(ダーブロック®)の特徴・副作用・そのについて

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腎性貧血の画期的?な内服薬が発売された(2020年)
バフセオ®と同時発売で・・・作用自体は同じであるが、別成分である。

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①特徴

適応症

腎性貧血

※ポイントとしては、保存期慢性腎臓病でも透析の人でも使えるところである。

※赤血球造血刺激因子製剤【ミルセラ®】などの注射から切り替えることも出来る。注射じゃない分負担が減る可能性がある。

※開始目安のヘモグロビンHb濃度
「赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合の本剤投与開始の目安は、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で 11g/dL 未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で 10g/dL 未満とする」

用法用量

基本的には4mgスタートである。
2mgスタートの場合は、Hb濃度が9g/dL以上の時。
4mgの製剤に割線がないため2mg製剤を用意しないといけないので注意。
最大用量は24mgで共通となっている。

【保存期慢性腎臓病患者】
・赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合
「通常、成人にはダプロデュスタットとして1回2mg又は4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。」

・赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合
「通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。」

【透析患者】
「通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。」

作用機序

ポイント「人間の低酸素下での体の状態を作るイメージ」
人間は、低酸素状態だと何とか赤血球の数を増やして
体の中の酸素を保とうとするシステムが存在する。

ダプロデュスタットは、
低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬である。
HIF-PH(ヒフピーエイチと読む)

ダプロデュスタットは、プロリン水酸化酵素(PHD1~PHD3) を阻害

低酸素誘導因子HIFαを安定化させる
※水酸化されていないHIF-αが蓄積する

HIF 応答性であるエリスロポエチン(EPO)遺伝子の転写促進

赤血球産生を誘導

※低酸素誘導因子HIFは、心不全、脳卒中、肺疾患、気圧変化及び網膜損傷などでの低酸素症に対する応答を制御するマスター転写因子
正常酸素状態では、HIF-αは分解される。

※プロリン水酸化酵素(PHD)は転写因子である低酸素誘導因子(HIF)αを水酸化し、ユビキチンプロテアソーム系による HIFαの分解を促進させる酵素

赤血球造血刺激因子製剤との違い

赤血球造血刺激因子製剤は、エリスロポエチンのタンパク質自体を補充するが、
ダプロデュスタットは、赤血球の産生を誘導する(増やす)

代替量・同等量:
エポエチンベータペゴル(ミルセラ®)100μgとダプロデュスタット4mgが大体効果としては同じとのこと。
エポエチンベータペゴル(ミルセラ®)50μgであればダプロデュスタット2mgである。

他の違いは別記事で述べる。

へモブロビン(Hb)の検査頻度

服用開始後は2週間に1度、通常は4週間に1度測定する必要がある。
月1回なので結構多い。

重要な基本的注意も確認しておくと良い

「本剤投与開始後は、ヘモグロビン濃度が目標範囲で安定するまでは、2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。
本剤投与中は、ヘモグロビン濃度等を4週に1回程度確認し、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。」

②副作用

高血圧(数%)、血栓塞栓症(0.8%)

血栓塞栓症(内訳)
「脳梗塞(0.3%)、肺塞栓症(0.3%)、網膜静脈閉塞(0.3%)、深部静脈血栓症(0.3%)、バスキュラーアクセス血栓症(シャント閉塞等)(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがある」

血栓症に注意?

血栓系の副作用に注意する必要がある
1週間のHb上昇が0.5を超えると高血圧のリスクが高まり、
血液の粘度が上がるため血栓が作られるリスクが上がる。
(上記はメーカーからの返答)

添付文書上の重要な基本的注意にもHb上昇の注意が記載されている。
「ヘモグロビン濃度が4週以内に2.0g/dLを超える等、急激に上昇した場合は速やかに減量または休薬する等、適切な処置を行うこと」

警告

「本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること」

血栓症の症状の例

・脳梗塞の症状
突然・・・
「頭がもうろうとする」
「しゃべりにくくなる」
「片側の手足が動かしにくくなる」
「頭痛」「めまい」「嘔吐」

・心筋梗塞の症状
「締め付けられるような胸の痛み」
「息苦しさ」
「冷や汗が出る」

・肺塞栓の症状
「息苦しさ」
「胸の痛み」
「血の混じった痰」

・網膜静脈閉塞の症状
「急に視力が低下する」
「目がかすんで見える」
「視界に見えない部分が出てる」

・深部静脈血栓症の症状
「脚の痛み」
「脚のむくみ」
「皮膚が青紫から暗い紫いろになる」

・シャントの閉塞
「シャント血管が硬くなる」
「シャント血管が痛くなる」
「シャント音が聞こえない」

③その他の特徴

・食事の影響を受けない
・代謝酵素CYP2C8
・2日ほどで定常状態に達する
・鉄の利用度を高める作用を有する
・一包化可能、出来る
・粉砕、簡易懸濁法は不可、出来ない
・造血に鉄が必要なため、鉄欠乏時には併用する必要がある
・タンパク質結合率が高いため透析で除去は期待できない
・飲み忘れた場合
飲み忘れに気づいた時点で服用する。次の服用時間が近い場合は1回飛ばす。
※決して一度に2回分は飲まないこと

参考資料
ダーブロック®添付文書、インタビューフォーム
メーカー説明会
メーカーへの問い合わせ
CKDガイドライン2018