ヘルペスの治療においてPIT療法(ピーアイティー)が認められている。非常に便利なので知っておくと良い。
PIT:Patient Initiated Therapy
【関連記事】
アメナリーフについて
PIT療法とは?
ヘルペスを繰り返す人にお勧めの処方。気になる方は、かかりつけの皮膚科に相談してみよう!
PIT療法とはそもそも?
あらかじめ処方された薬剤を初期症状(チクチク、ピリピリ、ムズムズといった違和感、かゆみなど)がでたときに患者自身の判断で服用を開始する治療方法のことである。
別の角度から説明すると・・・水ぶくれが出来る前に開始する治療法である。
海外では1 day treatmentと言われている。
PIT療法のための処方をPIT処方という。まさに備える治療である
どんな病気で?
「単純疱疹」で認められている。馴染みがある病名としては、「口唇ヘルペス」「性器ヘルペス」などがある。
その中で「再発性」のものにPIT療法をすることが出来る。
「再発性」というのは「繰り返す」ということである。
※仕事などで病院を受診する時間がない。すぐに受診出来ない人に向いている。
薬剤の例
各薬剤でかなり使い方や注意点が異なるため確認しておく必要がある。
知っておく必要がある部分を添付文書から抜粋する。
ざっくり言うと、ファンビルで使いづらかった部分がアメナリーフで解消されている。一度の服用で済むのも◎
【ファムビル(ファムシクロビル)】
「通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。」
→5日間の服用が必要
○「再発を繰り返す患者であることは、再発頻度が年間概ね3回以上などの病歴を参考に判断すること」
→繰り返す回数の条件があるので注意
○「再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に判断可能な患者であることを確認すること」
→初期症状を感じてから6時間以内に服用する必要がある。また、2回目は12時間に服用すること
○「再発頻度及び患者の腎機能の状態等を勘案し、本剤の処方時に、服用時の適切な用法・用量が選択可能な場合にのみ処方すること。」
→腎機能によって使う量が変わるので注意。特にクリニックの皮膚科は採血してないことあるので気を付けるように。
○「1回の再発分の処方に留めること。」
【アメナリーフ(アメナメビル)】
「通常、成人にはアメナメビルとして1200mgを食後に単回経口投与する」
→単回投与でOK
○患部の違和感、灼熱感、そう痒等の初期症状を正確に判断可能な患者に処方すること
○「初期症状発現後速やかに本剤を服用することが望ましい。初期症状発現から6時間経過後に服用した患者、また口唇ヘルペスでは皮疹(水疱、膿疱、びらん、潰瘍、痂皮)発現後に服用した患者に対する有効性を裏付けるデータは得られていない。」
○初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後6時間以内に服用すること。また、口唇ヘルペスでは皮疹(水疱、膿疱、びらん、潰瘍、痂皮)発現前に服用すること。
→6時間を越えると効果が微妙になる
○「次回再発分の処方は1回分に留めること」
※繰り返す回数の条件がない。年1回以上繰り返してたら処方可能
※PT療法用の6錠包装があるので注意。また、専用のケースがある。
※1度の処方で「今回のヘルペス分」+「PIT用」出すことが出来る。審査の厳しさは地域差があるのでコメントなどは事前に確認を。
【参考資料】
アメナリーフ、添付文書
ファムビル、添付文書
マルホ株式会社、説明会資料
マルホ株式会社、アメナリーフのPITによる単回投与の特徴