ベザフィブラートと腎機能 について触れる。
フィブラート系は腎機能に注意する必要があるため
今回は、ベザフィブラートについて腎機能にスポットを当てて簡単にまとめる。
最近は、処方せんにも検査値が書かれていることがあるので非常に投与量について考えやすくなったと思う。
皆さんは業務でどう活かしているだろうか。
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ベザフィブラートと腎機能
血清クレアチニンについても記載されているので押さえておくと良い。
また、ベザフィブラートを使用中に腎機能が低下し・・・継続が難しいのであれば「ペマフィブラート(パルモディア)」を検討してはどうだろうか。
用法・用量
「通常,成人にはベザフィブラートとして1日400mgを 2 回に分けて朝夕食後に経口投与する。なお,腎機能障害を有する患者及び高齢者に対しては適宜減量すること。」
※具体的に腎機能によって適宜減量することが記載されている。
禁忌
「・人工透析患者(腹膜透析を含む)
・腎不全などの重篤な腎疾患のある患者
・血清クレアチニン値が2.0mg/dL以上の患者
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人」
※とくに上の3つが腎機能と関連している。
非常に重要なことは血清クレアチニンが2.0mg/dL以上であれば、禁忌だとういことである。ここがポイントとなる。
腎機能による適宜減量とは?
添付文書上は下記のように記載されている。
(Scr:血清クレアチニン、Ccr:クレアチニンクリアランス)
①【Scr≦1.5mg/dLか60mL/分≦Ccrの場合】
→400mg/日(200mg× 2 )
②【1.5mg/dL<Scr<2.0mg/dLか50mL/分<Ccr<60mL/分の場合】
→200mg/日(200mg× 1 )
※ここで1つの疑問が生じる。Scrが2mg/dLより低く、かつCcrが50mL/分以下の場合の投与量はどうなろうのだろう・・・
特に禁忌ではないが、記載がないのでメーカーに問い合わせてみた。
禁忌に当たらず、添付文書に記載がない場合の投与量
メーカーが2つの参考資料を教えてくれたので紹介する。
【資料①】
日本腎臓薬物療法学会より出ている腎機能に注意が必要な薬剤投与量一覧2017年改訂版によると
15mL/分<Ccr<60mL/分の場合は、1日200mgを分1から分2で服用することが出来る。
ただし、Scrが2mg/dL以上だと禁忌である。
【資料②】
透析患者への投薬ガイドブック改訂3版によると
透析しておらず、CcrmL/分が60以下の場合、1日200mgを分1か分2で使用することが出来る。
※例えば、Ccrが40mL/分でScrが2mg/dLを越えてなければ、
1日200mgで投与することが出来るようだ。
もちろん、検査値の推移や横紋筋融解症などには注意が必要だが、血清クレアチニンに注意しながら投薬することが出来るので参考にしていただけたらと思う。
参考資料
腎機能に注意が必要な薬剤投与量一覧2017年改訂版 日本腎臓薬物療法学会
透析患者への投薬ガイドブック改訂3版 じほう
ベザフィブラート「日医工」添付文書
ベザトール®添付文書
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