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アロディニア(allodynia)とは?~帯状疱疹の時も注意を~

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アロディニア(allodynia)とは?~帯状疱疹の時も注意を~

勉強会で知らない単語が出てきたので・・・
ざっくりまとめる。

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①アロディニア(allodynia)とは?

「通常では、痛みを感じない刺激で痛みを感じる状態。」
帯状疱疹のとき、
ウイルスにより知覚神経がダメージを受けると知覚異常が起こってしまう。
この状態になると、帯状疱疹後神経痛PHN
が残る可能性が高くなることが分かっている。
※帯状疱疹後神経痛(PHN: post herpetic neuralgia)

通常痛みを感じない刺激とは?

接触、軽度の圧迫、温度・気圧変化等

②原因

帯状疱疹後神経痛
有痛性糖尿病性神経障害、
脊髄損傷後疼痛などの神経障害性疼痛時に起こる痛みのひとつであり、
片頭痛でも起こる。

→個人的に関わりがあったのは帯状疱疹
ずっと痛みが残っている人のひどい

③機序(ガイドラインよりがん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)より)

末梢感覚神経が障害を受ける



障害局所や脊髄後根神経節にNa+チャネルが過剰に発現する。



自然発火を繰り返すことにより持続的に障害された神経を刺激するようになり、
興奮閾値が低下する。(末梢性感作)



末梢感覚神経からは脊髄神経を興奮させるグルタミン酸(Glu)が放出されるが、
通常はNa+の細胞内流入を起こすα-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazole(AMPA) 受容体のみが活性化され、
強いCa2+の細胞内流入を起こすN-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体の活性化はMg2+によって遮断されている。



しかし、いったん末梢性感作が形成されると、
グルタミン酸に加えてサブスタンスP(SP)やニューロキニンAといった
タキキニンも放出され、NMDA受容体に結合することにより受容体が活性化し、
Mg2+がはずれ、脊髄神経細胞内にCa2+が流入するようになる。



その結果、脊髄神経が通常より強く興奮するため、
痛覚過敏やアロディニアが発生する(中枢性感作)と考えられている。
さらに、内因性の下行性抑制系の機能低下や、
末梢神経障害による抑制性介在ニューロンの消失によって抑制系が
機能低下(脱抑制)することも痛みを増幅する原因

神経障害性疼痛と中枢性感作の発生機序(ざっくり版)

上の機序を短くすると・・。

通常はNMDA受容体Mg2+によって遮断されている。

 末梢性感作によってタキキニンがNMDA受容体に結合することで受容体が
活性化しMg2+が外れる

脊髄神経細胞内にCa2+が流入し、
神経がより強く興奮するようになりアロディニアが発生する

④帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行要因

抗ウイルス治療の開始が遅れる
適切な疼痛治療の開始が遅れる
高齢(60歳以上)

→とにかく早く治療する必要がある。
例えば、高齢者には腎機能の用量調節が必要ない
アメナリーフ®はよいかもしれない。

アメナリーフ®についてはこちらを参照

帯状疱疹後神経痛の治療は?

ガイドライン上は、三環系抗うつ薬かプレガバリン(リリカ®)が推奨される。1A
副作用のことを考えるとリリカ®の方がよいだろうか・・・

参考資料
神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版
がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン(2010年版)