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吸入ステロイドとβ受容体 ~発作時に備えて~

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吸入ステロイドとβ受容体 について触れる
喘息などで吸入している治療をしている場合、どうしてもアドヒアランスが問題となる。毎日ステロイドを吸入する意味の1つとして紹介する。

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吸入ステロイドとβ受容体

ポイント

吸入ステロイドは、β2受容体の数を増やすこと等でβ2刺激薬の効果を助ける意味もある。
結果として、喘息発作の際の短時間型のβ2刺激薬の効果を上げることにつながる

詳細

大前提として、吸入ステロイドは、気道の炎症を抑えて喘息発作を予防する効果がある。
毎日吸入することで他にもメリットが出てくるので紹介する。

吸入ステロイドは、
「β2受容体遺伝子の転写を亢進することで細胞表面のβ2受容体数を増加させる効果」と「β2刺激薬とβ2受容体の結合親和性を上昇させる効果」がある。

何が良いのか?

吸入ステロイドとは別にβ2刺激薬も喘息の治療薬として使われる。ただ、そのβ2刺激薬を長期に使っていると
β2受容体のダウンレギュレーションが起こってしまうのだ。
長時間型β2刺激薬(LABA)単品だとβ2受容体が減ってしまう・・・思ったより効果が出ない・・・

※ダウンレギュレーション:継続的または過度な刺激により、受容体の減少や感受性の低下が起こり神経伝達物質などによる応答能が下がること

つまり、吸入ステロイドにより、β2受容体のダウンレギュレーションを抑える効果が期待できるのだ

短時間型のβ2刺激薬においても、β2受容体のダウンレギュレーションを普段から防いでいれば
喘息発作の際に役に立つ可能性がある。日々の吸入ステロイドを怠っていてβ2受容体の反応が悪いと
レスキュー的なβ2刺激薬が十分に効果を発揮しないこともある。
緊急時に備えて毎日の吸入ステロイドは重要である。

上記の理由で、長期的な治療でも緊急時の治療でも
日々の吸入ステロイドは大切である。
治療をしている人にどうアプローチするかは非常に難しいが、服薬指導の1つとして使ってはどうだろうか

参考資料
Mak et al;Glucocorticosteroids increase beta 2-adrenergic receptortranscription in human lung. Am J Physiol; 268(1 Pt 1):L41-6.
Kalavantavanich and Schramm :Dexamethasone potentiates high-affinity beta-agonist binding and g(s)alpha protein expression in airway smooth muscle. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol;278(5):L1101-6.

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