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レボドパ誘発性ジスキネジア について

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レボドパ誘発性ジスキネジア について簡単に整理する

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レボドパ誘発性ジスキネジア

レボドパ製剤は効果的で数年はコントロールもしやすいと言われている。ただ、長期間の服用でジスキネジアを起こしたり注意点もある。高齢者では起こりにくいことも特徴である。

レボドパとは?

レボドパL-dopaとは、最も効果的なパーキンソン病治療薬である。
服用中の問題点として、薬効の変動がある。
レボドパ自体は、効果時間が短く2時間程度である。
効果が切れるとパーキンソン症状が出て動けなくなる(wearing-off)。
これを恐れて増量しすぎると不随意運動が誘発されることがある。これをレボドパ誘発性ジスキネジアという。

レボドパ誘発性ジスキネジア

不随意運動なので手足や体が勝手に動くイメージ。
高齢者より若い人で起こりやすい。理由は、若い人の方が吸収がよいためである。
レボドパ製剤を10年とか長期間服用すると出てきたりする。

※空腹時の服用で量が多いと起こりやすい

セレギリン併用時の注意点

セレギリン(エフピー)は、MAO-B阻害薬である。
MAO(モノアミン酸化酵素)を阻害するため、ドパミンが脳内で分解されるのを抑制する。
そのため、ドパミンの作用が強まるため、効果は期待できるが、ジスキネジアは悪化する可能性がある。
レボドパ製剤とセレギリンを併用する場合は、ジスキネジアに注意すること。

レボドパ誘発性ジスキネジアの対策

・レボドパの減量および長時間作用性のドパミンアゴニストへの変更
・セレギリン内服中であれば減量か中止する。(MAO-B阻害薬)
・NMDA(N-methyl-D-aspartate)型グルタミン酸受容体拮抗薬を投与すること。
他えば、アマンタジン(シンメトレル)はNMDA受容体遮断作用があり,ジスキネジアを軽減させるという報告あり。

※ドパミンアゴニストは、レボドパの副作用を軽減するために開発された。レボドパより wearing-off やジスキネジアは起こりにくい。その反面、効果発現に時間がかかるとか、吐き気、幻覚などの副作用に気を付けること

※若者の方が、ジスキネジアは起こりやすいのでドパミンアゴニストを使った方が良い

※アマンタジンは、幻覚、妄想などの副作用に注意。腎機能低下者の用量調節も忘れずに

※ドパミン受容体遮断薬は使わないこと

参考資料
Chase TN, et al : Antiparkinsonian and antidyskinetic activity of drugs targeting central glutamatergic mechanisms. J Neurol 247(Suppl 2): II36―42, 2000.