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双極性障害について~Ⅰ型とⅡ型の違いと治療の注意点~改訂版

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双極性障害について~Ⅰ型とⅡ型の違いと治療の注意点~改訂版

双極性障害の人は、
「社会にイノベーションを起こす原動力に成りうる才能がある」
「芸術面で人々に感動を与える」可能性があることを知って欲しい。
しかし、社会的には・・・苦しんでいる人が多い。
少しでも理解してくれる人が増えることを信じて・・・

おまけ:双極性障害の有名人を紹介

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①双極性障害とは?

気分障害の1つに「双極性障害」がある。
数年以上の間隔をおいて「躁状態」と「うつ状態」を繰り返す疾患

「単極性うつ」と誤診されることも多い。

「単極性うつ」より再発率が高く8割越えている。
専門医でも区別がつかないことがあり難しい疾患である。

双極性障害には「Ⅰ型」と「Ⅱ型」がある。

※双極性障害の人は、「気圧の変化」、「天気が悪い」と
「うつ状態」になる人がいる。「季節の変わり目」なども注意が必要。

※「3日寝ないで仕事できます」とか言う人は要注意である。

また、躁状態では「赤色」など明るい色の服が好きであり、
うつ状態では、「暗い色」が好き。外来だとわかりやすい人がいる

ざっくりとした特徴

有病率(統合失調症と同じくらい)

Ⅰ型→1%前後 
Ⅱ型→0.5%前後

・男女差はあまりない 
・平均発病年齢は20歳前後
・遺伝性がある。親が双極性障害だと子供は20%くらい
・認知症になりやすい。

※認知症患者でBPSDがある人は、もしかしたら基礎疾患として双極性障害があるかもしれない。気づかれずに年をとってしまっているパターンが考えられる

補足:BPSDとは?

認知症の周辺症状(行動・心理症状)のこと
妄想・幻視・うつのような状態・不安・不眠症状・徘徊・暴力・暴言
など 

②「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の違いは?

簡単なイメージは・・・
「暴れる」か「暴れないか」・・・・

※あくまでざっくりとしたイメージである。

Ⅰ型(イメージ:精神病院対象)

顕著な「躁病相」を呈する(診断つきやすい)
ものすごいハイテンション状態・・・

明らかに精神疾患を罹患している印象を周囲に与える。
自慢話が多かったり、余計なことを言うので社会復帰は厳しいことが多い。

Ⅱ型(イメージ:クリニック対象)

「軽躁」状態を呈する(摂食障害や不安障害を併発することも)
社会から逃げる感じや攻撃的などあるが・・・
ほとんどトラブルを起こさない。周りから見過ごされることが多い。

現代では「Ⅱ型」が多くなっている。

「Ⅱ型」は、ほとんどが「うつ状態」で少し「躁状態」という特徴がある。

補足

補足として、他にも以下のようなものがある。

・気分循環症:
「軽躁状態」と「軽いうつ状態」を 繰り返すもの

・急速交代型:
「躁状態」と「うつ状態」を頻繁に繰り返すもの

※なぜ?こんな分類や特徴を理解する必要があるのかというと
抗うつ薬を双極性障害に使うと、この「急速交代型」になり不安定化することもあるので注意が必要なのである。
躁転した場合、自殺企画などが本当に恐ろしいのでタイプを知っておく必要はある。

④治療の注意点(治療の原則)

・とにかく「自殺」と「薬物依存」に注意する。

・本人は、うつ状態(病相)だけを治療対象と考えたり、各病相への治療を期待する(してしまう)
※自己判断が多かったりする。

・躁転しやすいのは薬を切った時である

・本人はもちろん家族・周りの人々に 双極性障害を理解してもらうことが大切である。
※なかなか家族の理解を得ることさえ難しいことがある

各「病相」だけでなく「経過」を重視することが重要らしい

説明すべきこと

・再発可能性が高く、各状態への対応のみではなく、経過を考慮した治療が必要であること

・自殺危険率が高く注意を要すること

・本人は「躁状態」を自分の本来のあるべき姿と考えがちで、「うつ状態」での
治療目的が高くなり過ぎる点に注意を要すること

・睡眠不足をきっかけとした「躁転」の危険性があり、
睡眠リズムを崩さないようにすること

薬局での対応

薬局においては、本人が来ることもあれば、家族だけが来ることもある。
そのため、それぞれの人に対して適切に「病識」の理解をしてもらうことが大切
「アドヒアランス」をいかに向上させるかが大切である。
先ほど述べたように「睡眠状況」の確認ももちろん必要だろう。

⑤おまけ:双極性障害だったと言われる有名人と作品

・宮沢賢治

「注文の多い料理店」→躁状態

・夏目漱石

「吾輩は猫である」→軽躁状態
「行人」→うつ状態 

・チャイコフスキー

「冬の日の幻想」、「悲愴」→うつ状態
「かじやワクーラ」→躁状態

・ゴッホ

※3月30日は世界双極性障害デー
この日は、ゴッホの誕生日である。
双極性障害の人は、ゴッホの青色が好きという人が多いらしい